カウントダウン
2021.06.26
2021年度教員養成コロキアム教養イベントが開催されました!ー教職課程センター 100周年カウントダウン事業ー
2021年6月26日。教職課程センター主催で「教員養成コロキアム2021」が開催されました(zoomによるオンライン開催)。
教職を目指す学生、教育関係者の教養を深める目的で市民公開講座という形式で実施されてきた本イベントは、教職課程センター発足の2016年から数えて今回で10回目となりました。
コロキアムとは、ラテン語で「人々が集い、語り合う場」を意味します。教育に関係の深い平和や人権などのテーマで実施されてきましたが、今回は教育実践の本丸である授業づくりに焦点をあてました。
「みんなで考える」って何だろう?!-協働で学ぶ授業のつくりかた-
オープニングにおいて、内藤二郎学長より講師紹介とともに、本イベントの趣旨である「主体的な学び」の重要性が強調されました。
講師を務めていただいた高原史朗先生(本学非常勤講師)による俳句を教材にした国語の模擬授業は、オンラインにもかかわらず参加型で展開され、多くの受講生の積極的な参加によって大きな盛り上がりとなりました。その後行われた児玉佳一センター教員とのクロストークは、参加者からの声を拾い上げながら進行し、より深い学びの場となりました。
クロージングでは靜哲人副学長より、講演内容に関する教育的意義を深堀するコメントがなされ盛会のうちに幕を閉じました。
参加者は本学の学生を中心に他大学、教職員、市民を含めて約200名。沢山の感想が寄せられましたが、その一部をご紹介します。
・みんなで意見を出しあい授業を創っていくことの楽しさ、面白さが知れた貴重な学習会だった。(本学学生)
・zoom大人数の参加だったのにも関わらず、全員が参加できる授業だった為とても面白かったです。あっという間に2時間経っていました。またこのような機会があったら参加したいなと思える授業でした。(本学学生)
・参加できてよかったです。中学・高校と詩や短歌の授業は、読んで語意や句法を学び、テストに備えて作者の名前を覚えるという淡白なものだったので、とても新鮮で感動しました。(本学学生)
・分からない人が市民権を持つという言葉がとても印象的でした。他にも大切な考え方を多く聞くことができとても意味のあるものとなりました。今回の話を、これから教育を本格的に学んでいく中で生かせればと思います。(本学学生)
・「共に学ぶことの面白さ」を伝えるべきだということ、多様な意見や考えがあふれる授業を作ることの重要性を理解できた。一緒に読むことの楽しさや価値、意味を教員自身が理解していかに生徒たちにとって意味のあるものなのか、活用されるものなのかを考えていく必要があると思う。高原先生が初めにおっしゃった「わからないことをわからないと言える授業」、「みんなが声を出し合うことで楽しむ授業」というものを私自身も大切にしていきたい。(本学学生)
・とても楽しい模擬授業でした。今回の模擬授業では人それぞれの解釈を付け加えて、俳句の解釈の幅を広げていくことで、新しい発見があったり、この人はこんなふうに捉えたんだなと気づく事が出来たりとみんなで学ぶことの大切さを学びました。模範的な答えを求める授業も必要ですが、自分が感じたことを素直に表現し、それを肯定的に受け入れてくれる授業も大切だなと思いました。(本学学生)
・様々な方の意見、考え、自分の中でたくさん整理して自分の価値観をもう一度見つめ直していきたいなと思いました。本当にいい経験でした。(他大学生)
・子どもたちの「多様な考え方」の引き出し方のうまさに感動を覚えました。今回の授業でも、通り一遍の鑑賞で終わらせてしまいそうな俳句を、参加者のイメージを膨らませながら、多様な読みに挑戦していらっしゃいました。同じ「国語科の教員」として、大いに触発されるものがありました。(大学教員)
・シンプルな問いかけの積み重ねのなかで、気がつくと深いといころまで連れて行かれるような授業でした。近頃の教育改革では、読み方・書き方といったジェネリックなスキルへの志向が強いように思います。しかし、高原提案を聞いて改めて思うのは、教室の文脈や、教材そのもの意味を抜きに、スキルは成り立たないということです。ICTの拡充により、「ICTを使うこと」を第一義とした授業方法が取られかねないと危惧される中、現状に一石を投じる提案だったと感じました。(司会を務めた仲田康一センター教員)