──学内フードドライブを通して今後広げていきたい方向はありますか。
今回は新型コロナウイルスの影響もあり、フードドライブへの呼びかけや働きかけを行う時間が十分にありませんでしたが、感染状況が落ち着き次第、板橋校舎だけでなく東松山校舎でも企画できればと思います。
また他大学ではSDGsの活動に関する学生の集まりなどを自治会が中心で行っていて、かつ学生が中心となって呼びかけを行っているところもあります。もう少し学生主体で活動への参加ができるとさらに良い方向に広がっていくのかなと思います。
──学生主体でという事ですが、具体的にどう動けば良いと思いますか。
教職員からSDGsが大事だと伝えても、なかなか動いてくれる学生が少ないのが実状です。ですので、最初は学生自治会などから呼びかけを行い、活動に興味がありそうな学生を集めて何ができるかを話し合うところから始めてみてほしいです。その中で学生に自治体の方と直接会ってもらい、自治体は大学(学生)の協力が必要なんだ、現場ではこういう事が起こっているのだという事を知ってもらいたいです。活動を行う上で一番大事な事は自分達を必要としている人と交流することなので、学生の皆さんにはこの部分を是非行ってほしいですね。
──学内フードドライブを実施した上で今後の目標をお教えください。
今回は朝と昼休みを中心とした比較的短時間の催しでしたが、2日間で502点(総重量119.7kg)もの食品を集め、板橋区を通じて福祉施設等に届けることができました。この量は、区内18の地域センターが2020年度1年間に集めた食品(3,704点、852.5kg)の約1/7に相当し、板橋区から大きな歓迎と謝意を受けました。フードドライブを今回限りの試みに終わらせず、来年度以降にもつなげることが一つの目標です。
また、今回フードドライブに関する情報発信によって、関連するSDGsの目標12(「つくる責
任、使う責任」)についての教職員・学生・生徒の意識・関心を高めていくことも重要な目標といえます。
──最後に学内フードドライブを通して学生に伝えたいことがあればお教えください。
SDGs(持続可能な開発目標)と聞くと、政府や国際機関が推進する遠大な計画をイメージするかもしれませんが、家庭で余った食品を学校に持って行くという、ごく簡単な行動によっても貢献できるものです。ひとりひとりが寄贈する食品がわずかでも、大学全体では100kg超の量となり、福祉施設などで大きな力になります。同様のことは、節電、節水、ごみ削減など日常生活の多くの場面でも成り立ちます。個々人の小さな心がけを集積させていくことが、SDGsの17個の目標達成につながることを、是非理解してもらえればと思います。