SDGs
2023.07.27
SDGsシンポジウム 「地域のつながりからミライのつながりへ」を開催しました
7月15日(土)、本学においてSDGsシンポジウム 「地域のつながりからミライのつながりへ」が行われ、学内外から76名の方々にお集まりいただき、盛況を博した。
2023年7月15日、100周年記念事業「SDGs・地域連携ミライアングルプロジェクト」の一環として、東松山キャンパスにおいて「地域のつながりからミライのつながりへ」と題したSDGsシンポジウムを開催した。「SDGs・地域連携ミライアングルプロジェクト」は、内閣府による「SDGs未来都市」に選定された宮城県東松島市と、同市と友好都市盟約を締結し震災直後から支援や交流を行っている埼玉県東松山市、両市と地域連携に関する協定を結んでいる本学の三者によって、互いの地域課題の解決とSDGsの17の目標に合致する社会活動に共同で取り組み、地域社会の発展と活性化に寄与することを目指す。今回のシンポジウムでは、SDGsの17の目標である「14.海の豊かさを守ろう」「11.住み続けられるまちづくりを」「17.パートナーシップで目標を達成しよう」などに関連した内容について考察した。
シンポジウムは、高橋進学長の「今までたくさんの人のおかげで深い地域のつながりを築けた。このシンポジウムをひとつのスタート地点として新たな関係性を作りあげることができるのではないか」との期待のことばにより始まり、続けて東松山市市長森田光一氏、東松島市副市長小山修氏よりご挨拶いただいた。
第一部 基調講演
第一部では、東松島市の海苔漁師でありアイザワ水産代表の相澤太氏による基調講演が行われた。相澤氏は漁師の道へ進まれてから、作り手としての栄誉に輝かれた一方で、販売の勉強にも取り組まれていたときに東日本大震災に見舞われた。壊滅状態になった街や漁港、漁師仲間を目の当たりにしたが、「作るだけでは安く買われるだけで、自分で価値を伝えていかなければ一次産業は衰退する」と日頃より感じていた課題意識と「いい海苔を作りたい」という職人のプライドが、漁業を復活させるという役割を認識したきっかけになったと語った。そしてそれは被災地だけではなく全国共通であり、自分だけが復活しても海はよくならないとして、ご自身の漁師としての視点を話された。
また、海苔の収穫量や漁師の数の減少を受け、地球環境とりわけ日本の海が痩せていっていることに警鐘を鳴らす。「未来を考える上で自分の目の届かないところで何が起きているのかを知ることが大切」、「自然さえ豊かであればみんな平等に安全に食べられる。そんな未来を残したい」と話した。
結びに、さまざまな経験をされた相澤氏だからこそのメッセージで、ミライを担う学生たちの胸を打った。
- アイザワ水産代表 相澤太氏
第二部 パネルディスカッション
第二部のパネルディスカッションでは、高橋学長、森田氏、小山氏、相澤氏に加え、宮城県議会議員高橋宗也氏、東松山市危機管理課危機管理監小林明雄氏にパネリストとしてご登壇いただいき、コーディネーターはスポーツ・健康科学部田中博史教授が務めた。
トークテーマ1では三者の交流のきっかけとなった「防災と地域交流」について、東日本大震災の発生当時東松島市職員として従事していた高橋氏より、自助から共助、そして公助へつながった復興の現場について話された。また、小林氏からは自主防災組織の底上げや、市民の手による市民救助について話され「防災無線が流れたらとにかく従ってほしい」と強調した。
トークテーマ2では三者のSDGsの取り組みが紹介された。東松山市は本学との共同の取り組みである「TABETEレスキュー直売所」や防災・減災対策の推進、子育ておよび障がい者就労支援、文化普及推進事業、東松島市は産学連携の出前授業やウガンダの女子学生の平等な教育機会確保を目的とした「ウガンダガールズプロジェクト」、本学は地域連携活動や健康増進を目的としたエクササイズおよび動画作成など、それぞれ特色ある取り組みが紹介された。
トークテーマ3では、「ミライ×自分ごと」として、テーマ1、2で共有してきた内容を振り返り、ミライに向けて三者で協力できること、一緒に取り組みたいことについて全パネリストよりご発言いただいた。それぞれの立場からの話を聞くことができ、濃厚な時間となった。
併せて、ミライアングルプロジェクトの事業として制作した「フレンドシップかるた」の完成披露を行った。「フレンドシップかるた」制作チームからは、制作に至った経緯や完成までの過程、こだわりポイントやかるた編集委員のみなさんの反応などが語られた。結びには、「フレンドシップかるた」が末永く親しまれ、世代を問わず新たなコミュニティ形成の懸け橋となることを願うことばがあった。
- 東松山市市長 森田光一氏
- 東松山市危機管理課危機管理監 小林明雄氏
- 東松島市副市長 小山修氏
- 宮城県議会議員 高橋宗也氏
- 高橋進 学長
- スポーツ・健康科学部 教授 田中博史氏
- パネルディスカッション
- 集合写真
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大東文化大学 100周年記念事業SDGs・地域連携プロジェクトチーム