岡田 風太(おかだ ふうた) さん
文学部英米文学科 2019年度卒業
株式会社ジョイシーズ 鶏からあげ きんどり 店長
昔からのコミュニティを大事にしつつ
商店街に新しい風を取り入れたい
SNS全盛の時代だからこそ“ふれあい”を大切に
100周年を機に制定されたこの新しいタグラインは、
大東文化大学のあるべき姿を表現しています。
大東文化大学は、創立以来、
漢学をはじめとする様々な文化との出会いを通じて
社会を豊かにすることを目指してきました。
文化と向き合って100年。
地域・領域・時代を超えた多彩な文化が交差し、
出会う場へ。
今日も新しい価値が生まれている。
その真ん中には、いつも、大東文化大学がいます。
真ん中に文化がある。
大東文化大学
活躍する大東人SP
2023.07.28
1923年(大正12年)の設立以来、多くの優秀な人材を輩出してきた大東文化大学。
年代も活躍する分野も多様な本学の卒業生たちに、大学時代の思い出から現在の活動スタイルまで、貴重な話をお聴きしました。
岡田 風太(おかだ ふうた) さん
文学部英米文学科 2019年度卒業
株式会社ジョイシーズ 鶏からあげ きんどり 店長
昔からのコミュニティを大事にしつつ
商店街に新しい風を取り入れたい
SNS全盛の時代だからこそ“ふれあい”を大切に
──現在のお仕事を選んだ理由を教えてください。
岡田:大学3年から始めたアルバイトがきっかけです。それ以前はコンビニエンスストアで働いていましたが、「もっとお客様との距離感が近い場所で働きたい」という思いから現店舗での仕事を希望しました。働き始めると、徐々にスタッフのシフトを組むなど店長の仕事の一部を任されるようになり、気づいたらスタッフリーダーのような立ち位置になっていました。
その後就職活動の時期を迎え、会社説明会などに参加したものの、心を動かされるような企業とは巡り会えませんでした。お世話になったゼミの先生からも「岡田くんはまだ視野が狭い。もっと広い世界を見ないと」とアドバイスされ、ワーキングホリデーの制度を利用してみようと考えた矢先、コロナ禍に突入して計画は頓挫。海外に出られないうち、店長から「この店を(店長として)切り盛りしてみないか」と誘われ、思い切って決断しました。
──店長を任されるに際し、プレッシャーはありませんでしたか。
岡田:もちろんありましたし、強い責任も感じました。私が店長になったのは、店舗がちょうど10周年を迎えた年。常連のお客様も多いので店の味や雰囲気をしっかり受け継ぎたい、という思いがある一方、新しいことにも挑戦してみたかった。それらをうまくミックスさせて両立させるという点では、今もプレッシャーを感じています。
──仕事をするうえで心がけていることはなんですか。
岡田:店の看板商品でもある唐揚げについていえば、その日の天気、温度や湿度によって揚がり方が変わります。その微妙な変化に注意を払い「いつもの味」を提供できるよう心がけています。また、新メニューの開発も積極的に行い、バラエティー豊かな商品構成を目指しています。そのうえで、お客様、スタッフ、元店長など多くの人から意見を伺い、店舗運営の参考にさせてもらっています。
──大東文化大学での学びは、今の仕事にどう活かされていますか。
岡田:大学では、アカペラ部ハーモニーコリンに所属していました。副代表を務めていたこともあり、部内のチームワークづくり、人への気配り、作業の割り振りなど、多くの経験を通して培った力は今も活きていると感じます。また、当店には時々外国人の方もいらっしゃいますが、学科での学びもあって生活習慣や文化の違いについても抵抗感はなく、けっして流暢でありませんが、英語でのコミュニケーションも取れているのかな(笑)、と感じます。
─仕事先として、商店街にあるお店を選んだことには理由はありますか。
岡田:祖母が地元新潟の商店街で働いていたこともあり、商店街そのものに親しみがありました。地元の人と深く、楽しく交流する祖母の姿に人としての「良さ」を感じ、同じようなことを今の時代でも実践したいという思いを持っていたのです。店舗を任されてからまだ日は浅いですが、少しずつ商店街の方々とのつながりを深めていき、今後は若い経営者の方との結びつきも大事にしていきたい。まずはそこから、商店街の活性化につながるベースを築いていこうと考えています。
──今後の商店街のあり方について、どんな考えをお持ちですか。
岡田:全国的に、商店街を利用する人が高齢化しているのは事実だと思います。この商店街(北一商店街)についていえば、最近マンションなども建ち、若いファミリー層が増えてきました。常連のお客様はもとより、そんな新しい方々にも親しんでいただけるよう工夫を凝らしていきたいです。後継者難で閉めてしまったお店もありますが、その空席に、これから飲食で活躍したいという若い人たちが進出してくれると嬉しいですね。昔ながらの商店街の良さを維持しつつ、新しい風も入れる。これは今後、とても重要になると思います。
──商店街活性化のため、具体的なアイデアはありますか。
岡田:鶏からあげきんどりがある北一商店街振興組合は戦後から創立された歴史ある商店街です。そのような商店街に僕が少しでも貢献できることといえば、若い力を取り入れることだと思います。SNSを活用するなど、若者へのアプローチも活発に取り入れ、幅広い年齢層の方が行き交う商店街になればい いなと思います。いずれは同じように商店街のことを想う人たちと一緒に地域発展にも貢献していければと考えています。
──最後に、後輩の方々にメッセージをお願いします。
岡田:学生時代、私は比較的同年代とばかり親しくしていました。部活を通して年上の方と交流する機会はあったものの、あまりうまく活かせていなかったと思います。ですから、皆さんには意識して世代の違う方と関係性を深めてほしいです。当店は東京板橋キャンパスともそう遠くないので、ぜひ訪れていただいて(笑)、世代の異なる多様な方々と接してほしいですね。それが自身の視野を広げるきっかけになるかもしれませんし、そうでなくとも新しい知見、考え方を得るチャンスになると思います。社会とまではいわなくとも、街の中でも刺激的な出会いはあるはず。そこから自分の可能性を広げていくことは楽しいし、有意義だと思います。