笹川 裕昭(ささがわ ひろあき) さん
文学部中国文学科 2000年度卒業
フリーアナウンサー
恩師の言葉と生き方を糧に
実況アナウンサーの夢に向かって
好きなことを突き詰めた4年間
100周年を機に制定されたこの新しいタグラインは、
大東文化大学のあるべき姿を表現しています。
大東文化大学は、創立以来、
漢学をはじめとする様々な文化との出会いを通じて
社会を豊かにすることを目指してきました。
文化と向き合って100年。
地域・領域・時代を超えた多彩な文化が交差し、
出会う場へ。
今日も新しい価値が生まれている。
その真ん中には、いつも、大東文化大学がいます。
真ん中に文化がある。
大東文化大学
活躍する大東人SP
2023.08.22
1923年(大正12年)の設立以来、多くの優秀な人材を輩出してきた大東文化大学。
年代も活躍する分野も多様な本学の卒業生たちに、大学時代の思い出から現在の活動スタイルまで、貴重な話をお聴きしました。
笹川 裕昭(ささがわ ひろあき) さん
文学部中国文学科 2000年度卒業
フリーアナウンサー
恩師の言葉と生き方を糧に
実況アナウンサーの夢に向かって
好きなことを突き詰めた4年間
──現在のお仕事と経歴について教えてください。
笹川:フリーアナウンサーとして野球やサッカー、モータースポーツなどのスポーツ実況を中心に仕事をしています。フリーになったのは2017年4月から。それまでは16年間、エフエム群馬のアナウンサーとして、スポーツ番組などで実況中継を担当していました。
──仕事をするうえで心がけていることはなんですか。
笹川:スポーツ実況においては、選手やチームと視聴者の皆さんをつなぐ橋渡し役になれるよう心がけています。そのため、日頃から競技に関する知識のアップデートを図り、新しい情報のインプットを欠かしません。その上で、実況現場では目の前で繰り広げられている試合の模様を、タイミングを見計らい、的確な言葉で伝えるよう意識しています。
──仕事のやりがいは、どのようなところに感じますか。
笹川:どのような競技でも、どのような大会でも、勝負が決まる瞬間は特別な時間です。そのような場に立ち会えることはとても光栄ですし、決定的な瞬間を全国のファンに伝えることができるのは、実況アナウンサーならではのやりがいと感じています。
──アナウンサーを志したきっかけはなんですか。
笹川:アナウンサーへの憧れは幼い頃から抱いていました。野球などのスポーツ中継を観ていて、試合の状況を的確かつ魅力的に伝える実況アナウンサーの姿を「かっこいい」と思ったことがきっかけです。職業として本格的に志すようになったのは、大学に入学してからです。大東文化大学放送協会(DHK)に入り、さまざまな方と出会う中で、本気で目指すようになりました。
──DHKではどのような活動をしていましたか。
笹川:アナウンスの技術を熱心に指導してくださる先輩から、じつに多くのことを教えていただきました。秋の学園祭ではミニ放送局を開局し、競馬中継が好きな先輩とともに疑似的な競馬中継番組を制作しました。他大学との交流会や自主勉強会、合同番組発表会なども開催、アナウンサーを志す仲間との出会いは良い刺激になりました。課外活動としては現役の実況アナウンサーが主催する私塾に通い、スキルアップに努めました。
──大東文化大学へ進学した理由をお聞かせください。
笹川:小さい頃から『三国志』が好きで、大学では『三国志』や中国の文学、歴史、哲学について専門的に勉強したいと思ったからです。当時、大東文化大学には、渡邉義浩先生という『三国志』に精通された先生がいらっしゃいました。この大学でなら好きなことをとことん学べると感じ、入学を決めました。
──どのような学生生活を送りましたか。
笹川:授業では『三国志』を中心に、中国の歴史など好きなことを学べましたし、課外活動ではさまざまな方との出会いに助けられながら、アナウンサーの夢へ向かって突き進みました。今振り返っても、本当に貴重で大切な 4 年間だったなと感じます。
──大学時代の経験で、現在の仕事や人生に活きているものはありますか。
笹川:ゼミでお世話になった山口謠司先生の言葉と生き方に影響を受けていると思います。先生にアナウンサーになる夢をお話しした際、「自分の好きなことを一生懸命やったほうがいい」と背中を押してくださったんです。先生自身が研究活動やテレビ出演、書籍の執筆など「やりたいこと」に次々と取り組まれている方でしたから、その言葉はとても説得力があり、私自身も「迷ったらやりたい方へ行こう」と思うきっかけになりました。山口先生に出会えたのは、私にとって人生の転機だったと思います。
──今後の目標や課題についてお聞かせください。
笹川:私がここまで活動して来られたのは、たくさんの方に支えていただいたから。だからこそ、実況アナウンサーとしての活動を長く続け、スポーツの世界と応援するファンとをつなぐ仕事を一つでも多く手がけていきたいと思っています。より良い実況を世の中に届けていくことが、私がこれまでお世話になってきた方々と、夢を与えてくれたスポーツ界への恩返しになる。そう信じて、これからも実況の仕事に邁進していきたいです。
──最後に、後輩たちへのメッセージをお願いします。
笹川:大東文化大学は、私が在籍していた頃よりもさらに進化し、多様な人や学びとの出会いを実現できる環境になっています。大学生活は、自分の過ごし方次第でいかようにも充実した時間にできる特別な期間だと思います。ぜひ多くの人と出会い、交わり、さまざまな経験をしてください。そのような大学生活を糧として、いつか皆さんが広く社会で活躍している姿を拝見できるのを楽しみにしています