大東文化大学は創立以来、多彩な文化と文化が交差し出会う場を作り上げてきました。
2023年に創立100周年を迎える本学は、<真ん中に文化がある。>をタグラインに、学びの領域を広げる活動を行っています。
その活動の一つとなるのが、今回ご紹介する『鬼滅学講座』。マンガ・ビジュアル研究会*所属の先生が、7、8月で主催した企画です。大ヒットマンガ『鬼滅の刃』を起点に、心理学やメディア論、翻訳などの様々な分野を学べます!
マンガ『鬼滅の刃』と社会学が交差する瞬間に、ぜひDaito Eyesでふれてみてください♪
それでは早速、各先生方の講座をのぞいてみましょう!
*マンガ・ビジュアル研究会・・・マンガとその周辺文化を学問と認識し、現代社会に貢献することを目的とした社会学研究会
マンガ『鬼滅の刃』×心理
『鬼滅の刃』に学ぶ折れない心 ―レジリエンス― / 井島助教
担当講義でも学びの内容に適したマンガや映画を積極的に取り入れ、学生に身近で分かりやすい心理学の授業を展開している井島先生。『鬼滅学講座』では、『鬼滅の刃』を通して<折れない心>レジリエンスを読み解きました。『鬼滅の刃』の「混迷の世の中を生き抜く力」「あきらめずに努力し、図太く生きる力」が描かれているキャラクター性やシーンを振り返りながら、今回のテーマ<折れない心>レジリエンスを学んでいきます。心理学としての学びだけではなく、人生に役立つ学びがたくさん詰まった講義となりました!
井島先生には、過去に社会学部や心理学についても詳しく教えてもらっています!ぜひこちらもご覧ください。
マンガ『鬼滅の刃』×映像メディア
『宇宙戦艦ヤマト』から『鬼滅の刃』へのメディア史/ 近藤講師
アニメがヒットする背景には、様々なメディア史的要因が関わっています。近藤先生の授業では、『鬼滅の刃』が爆発的ヒットした理由を、特定の日にち・時間帯にしかアニメが見られなかった時代にヒットした「宇宙戦艦ヤマト」と比較し、時代ごとのアニメ経験の特徴を考えました。レンタルビデオの時代から、HuluやdTVなどの動画配信サービスの利用増加により、いつでもどこでもアニメ視聴ができるようになった現在。「遅れて」ファンになるということも容易くなり、大ヒットアニメが続々と増えていますよね。そこで、現代のサービスをただ便利なものと受け取るのではなく、メディアがどのように機能しているのか、その背景の歴史や考えを深めていきました。
マンガ『鬼滅の刃』×ジャーナリズム
『鬼滅の刃』現象を日本のジャーナリズムはどう伝えたか / 野嶋特任教授
6大新聞社*のうち、日本経済新聞を除いた全紙が『鬼滅の刃』ヒットの社説を掲載しました。『鬼滅の刃』の「鬼」が「コロナ」と重なりヒットのカギとなった』という主張が各紙に共通し掲載されていましたが、果たして本当にそうなのか?また、その意見に賛同できるか?などを受講生に考えてもらいました。
昨今ではネットでの情報が蔓延していますが、実はその一次情報を作っているのは、新聞などの伝統的なメディアなのだそう。野嶋先生の授業では、ジャーナリズムの作品を読み、感想文を書いたり、ノンフィクション作品を作成する課題などもあり、伝統的なメディアの関係や重要性を能動的に学ぶことができます!
*6大新聞社・・・朝日新聞、産経新聞、東京新聞、日本経済新聞、毎日新聞、読売新聞
マンガ『鬼滅の刃』×翻訳
『鬼滅の刃』の海外受容と翻訳による変化 / スチュワート ロナルド教授
実用コミュニケーション英語など、言語教育の授業も担当しているスチュワート先生ですが、今回は『鬼滅の刃』の海外受容と翻訳による変化について教えてくれました!
マンガにおける日本語と英語の擬音語の表現の違いや、コミックス規制、海外でのマンガの需要など、マンガについて海外視点で学ぶことができます。また、受講生に質問を投げかけながら授業を進めていくので、十人十色の意見や価値観を知ることもできました。
英語で授業を受けたい方は、完全英語で受けられる「コミックス入門」を展開していますので、ぜひ受講してみてください。
マンガ『鬼滅の刃』×歌
アニメソングの歴史と『鬼滅の刃』 / 周東准教授
周東先生の授業では、アニメソングはどのように生まれ、歴史とともにどのように変わっていったのかを考えていきました。例えば、サザエさんのオープニングソングはアニメソングだと思いますか?アニメソングの定義とは何なのでしょうか?各題材となるメロディーを聞きながら、音楽の深い部分を掘り下げていきます。その中で『鬼滅の刃』のテーマソングとなったLiSAの曲はどのように位置づけることができるのかを受講生と考えていきました。今回は音楽の深い部分を掘り下げていきましたが、通常の講義ではもっと難しくない講義を行っています!と話してくれました。
受講生の声
マンガやアニメが好きな学生だけではなく、“『鬼滅の刃』を見たことがない!”という学生も「鬼滅学講座」に多数参加していただけました。受講生からは「『鬼滅の刃』という一つの作品から様々な切り口で多彩な分野を学ぶことができ、制作者は意図していない可能性もあるが、各授業によって違う角度からの可能性や見方が広がり勉強になった。」と感想をいただきました。
ご参加いただいた社会学部の皆さん、ありがとうございました!
社会学部(2018年設立)は新設学部ということもあり、学生の要望も反映しやすく、今までにない新しい文化にたくさん出会うことができます。
幅広い分野を様々な切り口で考えられるのが社会学部の魅力。「入学前は町おこしに興味があったが、社会学部に入学してからメディアなど幅広い分野に興味を持つようになった。」という学生もいました!やりたいことがまだ決まっていない受験生は、「多様な分野にふれられる社会学部で学ぶ」というのもひとつの選択肢です。
多彩な文化と文化が交差し出会う場所「大東文化大学」で、次はどんな出会いが待っているのでしょうか。乞うご期待ください!
今回開催した『鬼滅学講座』は、秋にオープンカレッジで一般の方向けにも開講予定です。