News

令和3年度大学院入学式行う

  • Facebookでシェア
  • LINEでシェア
  • Xでシェア

 令和3年度大東文化大学大学院入学式が4月3日、板橋校舎で行われ、46名の新入生を迎え入れた。


入学生の内訳は、博士前期課程・修士課程=43名、博士後期課程=3名。

 

 新入生宣誓は文学研究科教育学専攻修士課程の邵帥(ショウ スイ)さん。宣誓で「研究ができる環境に感謝し、人々との出会いに感謝しながら、各々の専門性を高めていきたい」と述べた。

 

学長告辞・内藤二郎学長

大学院に入学された皆さま、ご入学おめでとうございます。皆さま方は、大学院合格を目指して、並々ならぬ努力を続けてこられたことと思います。ただ、新型コロナウイルス感染症の拡大による厳しい環境の下での勉強には、様々な苦労や困難があったことでしょう。それだけに、こうして晴れて大東文化大学大学院に合格され、今日の日を迎えられた喜びも、より一層大きいことでしょう。改めてその努力を称えたいと思います。


私が研究者の一人としてまず思うことは「研究する、研究できるということは、とても幸せなことだ」ということです。テーマを選び、そのテーマに関連のある先行研究をサーベイし、文献や資料を集めてじっくりと読み込み、調査・分析し、時には現地へ出向いての聞き取り調査なども行い、これらを通じてオリジナルな成果を上げるわけですが、この一連の研究のプロセスを、すべて自分自身の興味、関心に基づいて自由に選択できるのです。大学院で研究する機会を手にした皆さまにも、是非いずれこのことを感じていただけるようになればと思います。同時に、ここにたどり着くまでには、今お話しした皆さまの苦労や努力のほかに、大学の先生方や学友、またご家族も含めて多くの方々の支えもあったのではないでしょうか。大学院をスタートするにあたり、まずは感謝の気持ちを持つこと、そして、その気持ちを常に心に置いて研究を続けていただければと思います。感謝の気持ちは是非皆さまの行動、すなわち研究に打ち込む姿勢や研究の成果で示してください。それがお世話になった方々に最も喜んでもらえる恩返しになるのではないかと思います。


さて、研究できることは幸せなことだ、と申し上げましたが、ただ、そう思えるようになるには相当の努力と時間が必要でしょう。研究できる喜びや面白さを実感することができるようになるまでには、その何倍、何十倍もの苦労があり、努力が求められることになります。時には自分を追い込むことが必要な場合もあるでしょうし、それに負けてしまいそうになることもきっとあるでしょう。そこで踏ん張り、周囲の助け、アドバイスも受けながら、でも諦めずに研究を続けていただきたいと思います。そうした経験が、良い研究成果につながり、さらに皆さまの将来にとっても貴重なものとなるでしょう。


さて、私は時々「勉強をするのは大学であり、大学院は研究をするところである」ということを耳にします。皆さまはどう思われますか。大学院が研究する場であること自体は間違っていないでしょう。しかし、もちろん研究も広い意味では勉強ですし、何よりも、大学院でも勉強すべきことは多々あります。研究をするためには、その前提となるそれぞれの分野における基礎的な理論や考え方、知識や技術を習得しておかなければなりません。そのための勉強が必要なのは言うまでもありません。ここで申し上げたいのは、研究成果を出すことを急ぐあまり、基本、基礎をおろそかにすることのないように、地道な努力を積み重ねていくことが重要だということです。また、先に私は研究というのは自由であると申し上げました。しかし、当然のことながら、自由な研究を行うには、責任を伴う、一定のルールがある、ということを忘れないで下さい。論文を書く際のルール、調査の際のマナーやルールを守ることは、研究する上での基本中の基本です。まずはそれをしっかり認識し、そして身体に覚えこませて下さい。


大東文化大学は2023年に100周年を迎えます。長い歴史と伝統のある大学です。その過程で多くの先輩方が大学院で研究し、様々な分野で多くの研究成果が残されています。学会で活躍された、また、現在も活躍されている先輩も多いです。これは本学の貴重な財産であると同時に、後輩である皆さま方の研究にとっても極めて有益です。大東文化大学には、様々な分野で研究を行う環境は整っています。皆さまは、この歴史と伝統のある大学の一員になるわけです。是非こうした研究の蓄積や人的ネットワークを活用し、ご自身の研究に活かしていただければと思います。皆さま方のご活躍を大いに期待しています。


大東文化大学には、「アジアから世界へ-多文化共生をめざす新しい価値の不断の創造」という理念があります。また、100周年を迎えるにあたり、「文化で社会をつなぐ大学」というミッションを、さらに「真ん中に文化がある」というタグラインも策定しました。「文化」という言葉には非常に広い意味がありますが、考え方や価値観などとも大きく関係があると思います。これらの理念、考え方は、大学院での研究にも大いに活かせるものでしょう。どの分野においても、こうした思いを心において研究に励むことで、より広い視野で物事を捉え、考えることができる、そのことが皆さま方の研究の幅を広げることにつながるからです。是非新たに大学院生となられる皆さま方にも、理解し共有していただければと思います。


繰り返しになりますが、研究には厳しさや困難を伴うでしょう。特に研究のスタートとなる大学院では、皆さまが抱えている課題や問題も多く、その一つ一つが大きく重たいものに感じられることも多々あると思います。苦しいこともあるでしょうが、是非それに打ち勝っていただきたいと思います。そして、研究ができる喜びや面白さを感じられるまで研究を続け、同時に研究を深めてください。日々の地道な努力と粘り強い取り組みによって、皆さまが素晴らしい研究成果を手にされることを心から願っています。

 

我々は全力で応援します。是非、頑張ってください。ご健闘をお祈りしています。本日は誠におめでとうございます。