政治学インターンシップ(テーマ探究・福島被災地研修)実施報告書
2024年 10月 1日
武田 知己
2024年度の「政治学インターンシップ テーマ探究 福島被災地研修」は、9月4日から6日にかけて、総勢10名の参加学生とともに、無事現地研修を終えました。
<事前学習>
・1回目:2024年7月6日(土)10:55-16:45
場所:東松山校舎4号館2階 アクティブラーニング教室(4-0208)
内容:自己紹介、映画鑑賞(Fukushima50 、太陽の蓋)、感想提出、討論
・2回目:2024年8月24日(土)10:55-12:25
場所:オンライン
内容:武田講義、課題提出、注意事項等確認
■9月4日(水)
東松山キャンパス8時40分出発===請戸小学校跡視察。1時間。===東日本大震災・原子力災害伝承館視察。1時間。===木野正登氏(経済産業省資源エネルギー庁対策官)、佐藤掌氏(福島民友新聞社デジタル局長)、国分利也氏(福島民友新聞社ふたば支社長)講演、討論(19時10分~21時)
初日は、津波被害に遭った旧請戸小学校、また東日本大震災・原子力災害伝承館を視察した後、宿泊先のいこいの村なみえで講演会を開催しました。
二日目は福島第一原子力発電所の構内を見学しました。天気にも恵まれ、快適な視察でした。学生たちが、一生に一度かもしれない体験を厳粛に受け止めていた姿が印象的でした。
■9月6日(金)
9時20分出発)===中間貯蔵施設・帰還困難区域視察(10時00分~12時00分)===道の駅なみえ===埼玉県東松山市東松山キャンパス解散
最終日は、汚染土壌が積まれた中間貯蔵施設・帰還困難区域を視察しました。学生たちは13年前の儘の区域を車窓に見ながら、処理水以上の問題ともいえる汚染土壌を再生し、再利用するという課題の難しさに向き合いました。
<総括>
学生たちからは帰還するバスの中で様々な意見を聞きました。その一端を紹介します。
・福島の人は前へ前へと進んでいた。それを感じた3日間であった。中間貯蔵施設を視察した時の「再生」という言葉の重みを感じた。
・放射線は怖いが正しく怖がれば向き合えると思った。質問時間があってよかった。もっといろいろ聞きたかった。
・現状を自分の目で見られてよかった。震災はまだ終わっていないと感じた。
・新潟出身なので同じ原発立地県としてこの経験を活かしたい。特に新潟には海岸から請戸小学校よりも近い学校がたくさんある。どうしたらよいか考えてみたい。
・原子力発電所構内に入ったことは何にも代えがたい。今後は震災を越えて環境についても学んでみたい。この経験を語り継いでいくことに自分も参加できると聞いて、自分も参加したいと思った。
・実際に見てみて言葉にならなかった。自分の目で見る事の情報量の多さに感動した。
・家族が参加することに心配していた。帰ったらこの経験を話してあげたい。
・本で勉強してきたことにリアリティが増した。復興がここまで進んだことがわかって感動した。
引率者からは、批判する前に現実を受け入れることの大切さ、良いとも悪いとも判断できないもやもやとしたその感覚が大事なので、その気持ちを忘れずに、ずっと関心を持ってもらいたいと総括しました。
(文責・武田知己)