Professor

教員紹介

上村 圭介

【自己紹介】
小学校に上がる前、母親に「漢字で《漢字》って書けるの?」と尋ねたことがあります。「書けるわよ」という母親の答えに納得できなかったのか、その後何度も同じことを母親に尋ねました。今にしてみれば、「《漢字》という意味の漢字」という自己参照的な関係が不思議だったのでしょう。変な子どもだったと言えばそれまでですが、ことばについて、そのような「不思議だ」という気持ちを、今につながっているのだと思います。

【学生へのメッセージ】
日本語学だけでなく、言語の研究とは、言語の規範、つまり「正しい」とされる文法や音韻、語彙の構造を記述し、分析するという性格をもちます。しかし、言語の正しさは恣意的なもので、その規範が、なぜ正しいとされるのかといえば、その理由は「古い」からか、「多い」からです。「食べる」の可能形として、「食べれる」ではなく「食べられる」が正しいとされるのは、それが古いから、つまり昔からそうだったということにほかなりません。一方で、「食べれる」を使う人が多くなれば、いずれ、「食べられる」は間違っていると考えられるようになるはずです。このような視点で、わたくしはことばを見ています。自分にとって、ことばとはどういうものなのか、皆さんも日本語学科在学中に考えてみてください。

【ゼミの卒業研究テーマ】
・セリフから分析するアニメーション映画監督の特徴
・@cosmeにおける人気化粧水のクチコミ内容
・会話頻度を基にしたネットワークによる漫画作品の特徴
・平成から令和のヒットソング分析
・中学校国語科教科書の学年別難易度比較
・日本語学習者が使っている複合動詞の特徴
・異なる立場での日本語母語話者の断り表現