7月21日(火)3時限目、7124教室において、国際関係学部FD(Faculty Development)研修会が開催されました。今回のテーマは「初年次キャリア教育-ねらいと評価-」。(株)ベネッセi-キャリア教育事業本部の藤浦芳江氏と五反田麗氏を講師にお招きし、初年次のキャリア教育に取り組む姿勢や心構えなどについてお話いただきました。学部の教職員(22名)の他、東松山キャリア支援課(国際関係学部担当)の川瀬龍彦氏にもご参加いただきました。
本年度からスタートした新カリキュラムでは「グローバル人材と社会人基礎力の育成をめざす4年間を通じた体系的なキャリア教育」が大きな柱となっています。その第一弾が、チュートリアル後期に導入される「初年次キャリア教育」。『My Career NoteⅠ(Advance)』というベネッセが開発したテキストを使用して授業を行なうことになっています。
講演の前半は、初年次キャリア教育の留意点。キャリア教育の基本姿勢は「学生自身の躓きやすいポイントをフォローしながら、自己や学び、そして将来に対して『前向きになる』・『行動する』ように支援すること」。「なりたい自分(理想)」に向けて学生の能動的な行動を引き出すためには、自己効力感(やればできる)と自己決定感 (大学でどうしたいのかを自分で考え、自分で納得の行く目標を決める)が不可欠であり、教員にはそのために学生を「後押しする存在」としての役割がもとめられている等々。
キャリア教育における「参加型授業」の有効性や、授業運営の留意点(メッセージが多いと伝わらない!)への言及は、キャリア教育に止まらず、アクティブ・ラーニング全般に通じるきわめて示唆的な内容でした。
講演の後半では、初年次キャリア教育のためのシラバスや、テキストを用いての授業展開モデルなどを具体的にご教示いたただきました。社会理解や自己理解のためのさまざまな作業をこなし、自分の行動計画=「キャリアデザインマップ」を完成させることが最終的な目標になります。
キャリア教育に関しては参加者全員が初心者ですが、豊富なWORKから構成されるテキストや、藤浦氏が提示された簡潔な授業プラン(指導案)により、後期のキャリア教育への大まかなイメージを共有することができただけではなく、参加者がそれぞれに感じていた授業運営に対する不安も少なからず払拭されたのではないでしょうか。
初年次キャリア教育の「離陸」に向けてのたいへん有意義な研修会になりました。講師を努められた藤浦様、五反田様には、ここに記して改めて感謝の意を表します。
キャリア教育が正課に本格導入される段階に入りました。「キャリア講座」には、初年次キャリア教育の成果を前提に「キャリア形成論Ⅰ(2年次配当)」、「キャリア形成論Ⅱ(3年次配当)」、キャリア特殊講義の豊富な科目群が新設されています。学生のキャリア支援について、教職員にはより一層の関わりと実践力がもとめられているといえそうです。