10月29日、「キャリア特殊講義(地域文化の探求)」の中間報告会が行なわれました。
9月24日の授業で提起された課題は次のようなものでした。「『東松山市観光振興基本計画』(平成27年3月策定)の内容を精査し、これまで東松山市が行ってきた観光施策の問題点を考察するとともに東松山市の観光を振興するための具体的な方策を提案してください」。
10月1日より、6つのグループに分かれ、観光振興の「糸口」を探してきました。グループは3人~5人編成、4年を除く全学年で構成されています。
中間報告では、観光振興策の方向性や今後の課題などについて、次のような観点で報告がなされました。①着眼した観光資源、②観光資源に着眼した経緯および理由、③解決すべき課題、④解決方法(具体案)、⑤最終プレゼンに向けて検討・調査すべき事項・質問事項。
6つのグループが着眼した「観光資源」の一端を紹介しておきます。
「東松山×大東文化大学」――観光資源として「大東文化大学」に着眼。高坂駅を利用する8000人以上の学生を、東松山方向に向わせるにはどうすればよいか。「行かぬなら行かせてみよう大東生!」といったところでしょうか。
「東松山駅の駅舎」。「川越になくて、東松山にあるものは?」こうした問題意識から生まれたアイディアです。「東武東上線の駅舎の中で、東松山駅の駅舎は、群を抜いて大きく魅力的(!)なのに、なぜ活用されていないのか?」「どんなコンセプトで駅舎を建設したのか?(三村課長によれば、東京駅を意識しているようです)」「駅舎を利用したイヴェントを行ったことはあるのでしょうか?」。市役所側からは、駅舎に限定せず「駅舎を中心とした周辺の観光景観」という視点も有効ではないかとの指摘も。
インバウンドに着眼したグループは、東松山市(比企地区)の歴史文化財の魅力を外国人にアピールするための方策を検討しました。「吉見百穴」「三角縁神獣鏡」「若宮八幡古墳」等には、日本の文化や歴史に関心をもって来日する外国人の興味をそそる「魅力」があるのではないか。文化財の調査と選定、そして歴史文化財に精通した「通訳」の養成が課題。「外国人が多い川越発着のバスツアー」という提案もなされ、高い評価を得ました。
「こども自然動物公園」は、市内最大の観光スポット。年間72万人という観光客の行動範囲を、動物公園から東松山市内全域に拡大するにはどうすればよいか? 動物公園に来た人向けの「季節ごとのクーポン」や「スタンプラリー」の開発が具体策として提案されました。
二つのグループは、観光広報(宣伝)に関する提案です。東松山観光協会のHPの改善を検討するグループ。全国の観光協会のHPを徹底的に調査し、最終プレゼンでは、東松山観光協会HPの「フロントぺージ」が提案されるようです。
もう一つは「Digital Signage(デジタル・サイネージ)」(電車のモニター広告)。こちらも、最終報告会で「Digital Signage東松山バージョン」が披露されることになっています。
中間報告会の様子
「第38回日本スリーデーマーチ」を2日後に控えた超多忙な時期に、東松山市役所環境産業部商工観光課からは三村和之課長、加藤勝子主査、江野友美様にご出席いただき、数々の改善に向けた貴重なコメントを頂戴しました。記して感謝の意を表します。
最終プレゼンは、12月17日に予定されています。今後約1ヶ月半、各グループとも「具体的かつ現実的な提案」を目指します。今年度の最終報告会は、東松山市役所総合会館で開催されることになっています。商工観光課はもとより、他の部局からも多くの職員の方々にご参加いただけることになっています。東松山市の職員の方々の批判に耐えうる観光振興策を提示できるかどうか、本プロジェクトもこれからが正念場です。