一生忘れない中国現地研修
中国に現地研修に行く前は、中国の印象は全然良くなかった。空気や治安が悪く、街中にゴミが散らかっていて汚いという印象があった。また、中国人は勝手な人が多く、マナーが悪い、食べ方が汚いなど、良い印象が全くなかった。
しかし、20日間上海で研修を受けて、実際で見たものは思っていた印象と全く違っていた。買い物をするのにも、たしかに店員さんには無愛想な人もいたけれど、言葉が分からない私たちを笑顔でジェスチャーを使って教えてくれる店員さんもいた。そして、金さんや大学の先生、ガイドさん、運転手さん、みな優しくいろいろなことを教えてくれて本当に嬉しかった。みんなのおかげで中国の印象がガラッと変わった。
授業は、平日の午前中に2コマあり、二人の中国人の先生の個性的な授業だった。授業中に休憩時間があって、その際に中国の有名な歌を流してくれた。その歌を、みんな気に入り、寮に帰って歌詞を調べて覚える人も多かった。
午後は、自由行動でそれぞれに時間を過ごした。中国には昼寝をする文化があり、その文化にそってみんなでお昼寝をしてから出かけることが多かった。休日は、先生が企画してくれた計画に沿い、杭州や周荘の観光スポットに他大学の学生と一緒に行ったり、日中韓交流会や書道を体験した。外灘や新天地や南京东路などのいろいろな場所に、9人みんなで、行き方を自分たちで調べてバスや地下鉄、タクシーに乗って散策した。
どの国にも多様な側面があり、中国もいいところだけではないと感じた。
大学寮の水道水は生では飲むことが出来ず、大学内にあるスーパーで必ず水を買っていた。食堂では美味しいもの、口に合わないもの、全く食べられないものもあった。美味しいものを食べていたのに、なぜか翌日にお腹を壊す生徒も多かった。
また、交通面では信号無視が当然のように、赤信号でも車やバイクが走ってきて、ひかれそうになったこともあった。日本に比べてバイクの走る量は多く、2人乗りしているひともいれば、3人乗りをしている人もいた。
他にも上海ディズニーランドに行き、アトラクションに並んでいる時、隙間があれば入って抜かしていこうとする人がいた。順番も守らない人が多かった。日本では考えられないことが多かったが、日本との違いを感じることができた。
中国の現地研修は、男子学生6人、女子学生3人の9人で行動を共にした。引率の先生がいない中、私は学生リーダーとしてみんなをまとめる立場を任された。しかし、私はご飯を食べる場所を決めるにしても、どちらの場所がいいか、副リーダーに頼ってばかりいた。観光名所に行った時も、なかなかみんなをまとめられず挫けそうになっていた。その中でも、ついてきてくれた仲間もいて、一緒に行く所を調べたりして、相談してくれた。「1人で背負いすぎだから、もっとみんなを頼りなさい」と仲間から励まされ、私は本当に嬉しかった。この仲間と過ごせてよかったと感じることができた。
最後に
この20日間の現地研修で、中国語だけではなく、他にもたくさんのことを学ぶことができとても良い経験になった。当初は、初めての海外が中国でとても気が重かったが、今では中国で良かったと思えるようになった。中国の悪い印象を持っている方々に、中国は思っている印象とは違う事を伝えたい。
一緒に行った仲間には、本当に感謝している。この仲間がいたから不安なこともなく、毎日が楽しくたくさんの良い思い出ができた。
また、中国でお世話になった金さん、大学の先生、日本で心配してくれていた家族や友人、こまめに連絡してをして下さった鹿先生や大石先生にも感謝している。
私の中で、20日間の研修期間はあっという間に過ぎていた。ここで学んだことを生かし、またさらに、これからも中国の文化や経済などたくさん学びたいと思う。(文責・写真提供:宇多川亜美)