国際関係学部では、アカデミック・スキルの学習を目的に、少人数ゼミ形式の「チュートリアル」(必修科目)が1年次に配置されています。毎年、5月~6月には4回にわたって他のチュートリアルクラスと一緒に「合同チュートリアル」を行なっています。各グループを4~5名のチームに分けて、特にグループ・ディスカッション能力の向上、仲間意識を高めることを目指しています。授業は細田教授(キャリアデザイン・問題解決学)の企画・指導のもと、各グループ3名の教員体制で合計5グループ、すべての1年生の指導を行なっています。
第1回 5月9日
初回は初対面同士の学生が多いこともあり、おしゃべりも少なく、やや緊張した雰囲気の中で始まりました。教員による概要説明を受けた後、学生は各チーム内で自己紹介ワークからスタートしました。「私はこんな人」と中心に書かれた紙には5つの吹き出しがあり、各自がそこに自らの情報、好きなモノや芸能人などを自由に書き込み、メンバーに伝えていきました。このセッションが中盤にさしかかる頃には、賑やかな会話が各チーム内で交わされ、互いに打ち解けていく様子が見られました。
その後、アイデア出しの考え方として重要な「発散と収束」のプロセスについて、また、その手法としての「ブレーンストーミング」と「KJ法」の説明があり、実際に各チーム内でそれらを実践しました。
最初にアイデア出しの作業を行ないました。テーマを「しろいもの」とし、一人10枚の付箋が渡され、1アイデアを1枚の付箋に書いていく〈発散〉の作業を行いました。中には10個以上出していた学生もあり、グループ別に総数を確認したところ、5人で147個のアイデアを出したグループもありました。アイデアの総数はグループによりばらつきはあるものの、お互いのアイデアを聞きながら新しい視点に気がつくなど、ブレーンストーミングの醍醐味を感じながら発散の作業を行ないました。各人のアイデア出しが終わると、グループメンバー全員の付箋を並べ、関連する項目ごとにまとめる〈収束〉の作業に入りました。グルーピングの過程では、どのアイデアとどのアイデアをまとめるのか、どのグループとどのグループに関連性があるのかなどの、お互いの見方をすり合わせる議論を行ないながら、チームオリジナルの分類、関連性の視点を探る作業を行ないました。最終的には、グルーピングの結果を一枚の紙にまとめ、タイトルをつける作業を行ないました。次回は、これらを模造紙に書き出し、グループことに発表します。
振り返りアンケートでは(1)「授業内容に関する理解度」、(2)「グループ・ディスカッションへの自らの貢献度」、(3)「今回の授業で学んだこと」、(4)「次回に向けての自らの意気込み」などを聞きました。回答結果としては(1)では「まあまあできた」と「よくできた」が多く、(2)でも「まあまあ貢献できた」が最も多く寄せられました。(3)では「アイディアの量を出すこと」や「積極性」、「チームワーク」や「他人の意見を聞くこと」の重要性が、(4)では「積極的になりたい」という点とともに、「仲間と引き続き話したい」といった点が、それぞれ多く挙げられました。ディスカッション手法の基礎を学習する中で、新しいスキルの獲得と多くの気づきがあった合同チュートリアル(第1回目)でした。