私はアメリカ文学と文化の授業を担当しています。授業では、アメリカの作家の小説や詩などの作品を、歴史や同時代の文化、社会の状況と関連づけながら、学生のみなさんと一緒に読み考察しています。

　ナサニエル・ホーソーンを中心とする19世紀のアメリカ文学と、同時代の文化を専門に研究しています。ホーソーンは、アメリカの歴史と社会について問い続け、魅力的な女性登場人物を多く描いた作家です。その生涯と作品を、ジェンダーの観点から考察しています。

　19世紀のアメリカは、独立してまもない若い国のエネルギーに満ちています。自由・平等というアメリカの理念と、矛盾や問題をはらむ現実との間で、葛藤する作家とその作品の登場人物たちに惹きつけられます。作品を読むたびに新しい発見や学びがありますが、それを日本や海外の研究仲間たちと語り合えるのも嬉しいことです。

　時間に余裕があるときは、美術館に行くのが楽しみです。

　やはり専門の19世紀のアメリカ文学が好きなのですが、その他に、評伝と呼ばれる人物の伝記と批評を合わせた日米の作品をよく読みます。音楽はジャンルにこだわらずに聴き、Aretha Franklin, Miles Davis, Mark Kozelek, Keith Kenniffなどのアメリカのアーティストが好きです。

　異なる国、異なる時代の文学を読むことは、異文化を学ぶことであるとともに、私たち自身について理解を深めることでもあります。アメリカの文学や文化、アメリカ留学に関心があるみなさん、一緒に学んでいきましょう。