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レポートアジア・ヨーロッパ圏

【ベトナム】ベトナム国家大学ハノイ

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国際関係学部4年の佐藤です。現在、協定校留学でベトナムの首都ハノイに滞在して4か月目です。もうじき終了する留学生活を通じて感じた魅力や課題、そして学びについてお伝えします。

 

 

早朝から始まるハノイの日常
ベトナムの朝は早く、街は早朝から活気にあふれています。念願の一人暮らしを始めた私のアパートは住宅地にあり、初めは夜遅くまで響くバイクの騒音や隣の建物に住む老夫婦による爆音カラオケで睡眠不足に悩まされました。その対策として音量を抑える耳栓を購入したのですが、快適な生活に欠かせないアイテムとなりました。バイクの音はベトナムの生活そのものを象徴していると言えます。この街の喧騒やリズムに慣れるまでには時間がかかりますが、それも含めて現地の文化に馴染む大切な経験です。

 

 

大学での授業
授業の情報は、ZALO(ベトナム版LINE)のグループチャットで共有するのが一般的です。現地の学生たちは英語力とプレゼン力が高く、どの授業でもグループ課題や発表が求められます。ベトナム訛りの英語の聞き取りに苦労しましたが、友人たちの助けもありどうにか適応してきました。
ベトナムの大学の授業スタイルは欧米的で、朝食を取りながら授業を受ける光景がよく見られます。そのうえ、授業1コマが2時間40分と非常に長く、集中力が試されます。一方で欠席や遅刻が頻繁で、40人のクラスにわずか5人しか出席しない日もあり驚きました。授業の時間変更や内容の変更が直前に行われることもあり、柔軟に対応する力を養えました。

 

 

生活費と工夫
ハノイの物価は日本と比べて非常に安く、1食あたり約180円(30,000ドン)で済むこともあります。ただし、日本の生活スタイルをそのまま続けようとすると、意外と出費がかさみます。そのため、交通費を節約しようとなるべく歩くことを心がけています。ベトナムのバスは1回60円(10,000ドン)と格安ですが、11月には料金が値上がりしました。そもそもかなりの破格で、そこまでの節約効果は感じられませんでしたが運動不足の解消には少し役立ちました。またローカルバスは揺れが激しく、ダウンジャケットを着ながら冷房をつけているバスもあるので乗り心地に苦労します。12月でも日中は20℃ほどあるため、夏が好きな人におすすめです。コートやダウンを着ている現地の人は私から見ると少し大げさに感じることもありますが、本気で寒いようです。ただし中は半袖で十分です。実際に上着を脱いだらタンクトップや半袖の方がかなりいます。寒さにあこがれているのだと感じています。

 

 

ハノイで得た学び
ハノイでの生活を通じて、文化や価値観の違いを肌で感じることができました。特に、人々の活動的な一面や豊かな食文化には感銘を受け、卒論執筆にも役立つ発見がありました。一方でバイクでの当て逃げに遭ったり、人生初の入院を経験したりするなど、予想しなかった出来事もありました。それも全部含めて私だけの貴重な経験です。そんな環境に少しずつ慣れ、柔軟な対応力を養うことができたのは成長の一つです。
さらに、行動すること、「とりあえずやってみる」という姿勢が、どれだけ重要か身をもって感じています。論理的思考も大切ですが「百聞は一見に如かず」と言われるように、行動してみなければ分からないことが多いです。例えば、私が好きなベトナム料理は生春巻きですが、フォーやブン、その他様々な料理を試してこの答えに行きつきました。メニューを眺めているだけでは分からないことも、実際に行動して試してみることで発見できました。以前、知人に「成功の秘訣」を聞いたことがあります。「経験すること」「一流(本物)を知ること」、そしてもう一つ――忘れてしまいましたが、このことだったのかと納得しています。そして経験を通じて得られる学びや気づきは、何事にも代えがたいと実感しました。

 

 

留学にあたって相談に乗ってくださった先輩や、サポートしてくださった国際交流センターの皆さまには、心から感謝しています。ハノイでの生活は、私にとって忘れられないかけがえのない時間となりました。これから留学を考えている方には、耳栓などの便利なアイテムを持参しつつ、現地の文化に柔軟に対応する心構えと行動する勇気をぜひ持ってほしいと思います。