都道府県によって異なりますが、概ね7月中下旬から各都道府県(含む政令指定都市)単位で1次試験が行われます。合格者対象の2次試験は8月中旬から9月初旬に実施されるところが大半です。出願期間・方法、試験内容は受験地域によって異なっていますので、事前調査が必要になります。また出題傾向も地域によってかなり違いますので、念入りに過去問題を研究することが必須です。
1次試験は「教職教養」「専門教科」「一般教養」「小論文」など筆記試験がメインとなり、かなり広範囲な学習が必要とされます。都道府県によっては、「実技試験」があります。一般的傾向としては、中高の場合は大学入試センター試験レベル、小学校の場合は最低でも高校入試程度の教養を求められます。過去問などの資料はセンターに常備してありますのでぜひ活用してください。
2次試験は、「面接(個人・集団)」や「模擬授業」「実技試験」など、教師としての基本的な資質を問われ、実践的な力量を試されるものがほとんどです。最近では「場面指導」として、実際に現場で起きうる場面を設定し、教師としてどう指導するかを子ども役に扮した面接官を相手にロールプレイで表現することもあります。(例)下駄箱で「上履きがなくなってしまった」とポツンとしている児童を見かけました。担任教師だったらその後どうしますか。3分間で実際の場面を想定して指導してください。
このように、教員採用試験の内容と求められる力は多岐に渡っています。教員は高い専門性と人間的力量を求められる仕事です。それらは一朝一夕に身につくものではありません。日常の授業・学習活動を充実させることが最も大切になります。学科の授業を中心に教科の専門性を高めること。また教職課程に関する授業内容を深く理解し、自分の言葉で語れる教育哲学を身につけなければなりません。さらに、学外でのボランティアなど社会活動などにも積極的に参加し、コミュニケーション能力を高めること、主権者として社会的事象について広く関心を持つことも必要です。
ともあれ、採用試験に合格するためには早くから準備をすることが大切です。まずは受験予定の都道府県の採用に関する情報を集めることがスタートラインとなるでしょう。いずれにせよ、その人の状況によって優先順位は変わりますので、教職課程センターに来て、相談してみてください。