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ダブルディグリー派遣学生からの報告(卒業論文について)

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ダブルディグリープログラムに派遣されている村田さんから近況報告が届きました。

以前の報告はこちらからご覧ください。

以下村田さんからの報告です。

 

近況報告(卒業論文について)

村田晴周

 

 こんにちは!私は2023年の2月から、ダブルディグリープログラムを利用して、北京外国語大学(以下「北外」)に留学しています。今回は、ダブルディグリー留学の特徴でもある、卒業論文について紹介したいと思います。

 ダブルディグリープログラムでは、卒業時に留学先の大学で卒業論文を執筆し、それを提出することで、留学先の大学の学位を取得することができます。論文の形式や進め方は大学ごとに異なりますが、ここでは北外での卒業論文の執筆作業について紹介します。

 北外では、4年生の前期(2月中旬~3月初旬開始)に卒業論文の講義を履修します。授業を通して、生徒は論文の大まかなテーマを決め、先生やクラスメイトからのフィードバックを参考に、さらに研究対象を絞っていきます。中間試験として、選んだテーマとその理由、いくつかの先行研究のリスト、研究の構想などをワークシートに記入して提出します。

 中間試験の後は、論文の構成や本文の書き方などの講義を通じて、中国での論文の書式について学習します。期末試験では、さらに多くの先行研究を集めて整理し、序文を一部分執筆します。アンケート調査をする場合は、その調査対象や設問などを考えます。さらに、今後の研究スケジュールを決めて、これらを全てワークシートに記入して提出します。

 また同時期に、卒業論文の指導教授との面会式があります。北京外国語大学では、1人の教授が生徒1、2人を担当します。この日に生徒は、自分に割り当てられた指導教授と面会し、連絡先を交換したり、簡単な打ち合わせをしたりします。また、ここで論文の詳細な形式や提出期限などが説明されます。

 これ以降は、各自で研究を進めていく形になります。WeChatでアンケートを投稿したり、インタビューをしたり、文献を収集したりして、各自必要な資料を揃え、考察を進めていきます。指導教授による修正の後、10月末には本文6,000字以上を満たした初稿を提出します。さらに加筆、推敲を重ねて、11月下旬には、本文8,000字~10,000字を満たした定稿を提出します。そしてこの定稿を用いて、12月初旬に発表および答弁を行います。答弁会では、3人の教授が1問ずつ質問した後、生徒はいったん退室して回答を考えます。再び入室してすべての質問に回答すると、答弁は終了です。答弁に合格し、最終稿を提出し終えたら、ついに学位を取得することができます。

 このように、北外では大体9か月くらいの時間をかけて卒業論文を書き上げます。後期が始まると授業と宿題に追われて、なかなか論文まで手が及ばないので、夏休みからしっかりと計画的に研究を進める必要があります。上述したように、夏休みからは基本的に個人での作業が中心となります。他の生徒の研究は、内容も方法も大きく異なっていることが多いので、自分で自分のペースをつくって、地道に進めていくことが重要です。また、北外にはゼミがというものがなく、専門的な研究をするには、自分で一から情報や資料を集める必要があり、作業量が非常に多くなってしまいます。専門的な研究がしたい場合は、留学するよりも、日本でゼミに所属して進めた方が、より良い環境の中で研究ができると思います。ダブルディグリー留学を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

外国語で論文を書くのはとても大変な事です。

最後まで健康に気をつけて残りの中国の生活を楽しんでほしいものです。