アジアの伝統と現代
第二回「アジア芸能の夕べ」は、大盛況のうちに閉幕しました。ご来場頂いた皆様には厚く御礼申し上げます。
総括
「アジア芸能の夕べ」は地域連携事業の一環として実施するもので、昨年につづき今回が2回目である。本学部はここ数年、身体動作とパフォーマンスをとおしてアジア文化への興味と理解をはぐくむ特殊講義「アジアの身体とパフォーマンス」を開講し、アジアの音楽や舞踊の第一線で活動する専門家を招いて、学生への実技指導を行なってきた。「アジア芸能の夕べ」は、この講座を拡大して地域住民にも開放しようという趣旨で企画されたもので、東松山市等の後援を得て、12月6日と7日に東松山キャンパス内の講堂で開催された。
今回はインド、タイ、インドネシア・バリ、アラブの伝統芸能が披露され、午後の部のワークショップ(実技指導)と夜間の公演で両日とも300名を超える参加者があった。半年以上をかけて周到に準備したこともあって、好評のうちに終えることができた。
特色GPの事業は今年度をもって終了するが、「アジア芸能の夕べ」は来年度以降もプログラムを変えて実施し、そこでの蓄積を学部教育にフィードバックさせ、「身体」を通したアジア理解の一層の推進を図るとともに、東松山地域の恒例行事として定着させたいと考えている。
参加人数
12月6日
体験講座(ジャワの宮廷ガムラン音楽体験)
・1回目(15:00〜15:50)13名
・2回目(16:00〜16:50)17名
公演 292名(一般240名、卒業生52名)
12月7日
体験講座(バリ舞踊体験)
・1回目(11:00〜11:50)7名
・2回目(12:00〜12:50)10名
公演 333名(一般291名、卒業生42名)
開催期間等
※下記開催期間等は2008年のものです。すでに終了しております。ご注意下さい。
体験講座12/6(土) 15:00〜15:50 / 16:00〜16:50
●ジャワの宮廷ガムラン音楽体験
講師:小迫直子(コザコ・ナオコ)
大東文化大学学生・卒業生
大東文化大学国際関係学部 講師
体験講座12/7(日)11:00〜11:50
●バリ舞踊体験
講師:富沢香寿美(トミザワ・カスミ)
バリ舞踊家
公演第一夜 12/6(土) 18:30〜20:30
タイの古典舞踊と民俗舞踊(公演:秋元加代子タイ舞踊団)
●秋元加代子タイ舞踊団
タイ芸術局とタイ王立舞踊学校より、外国人として初めて特別上級認定証を授与され、タイ舞踊家として認められた秋元加代子が主宰するタイ舞踊団です。タイと日本において20年以上に渡り定期的に公演活動を行っており、ASEAN10カ国の舞踊団と交流を重ね、共演してきた実績を持っています。さらに、タイ国王より芸術・交流活動に対して数々の勲章を授与されました。
●公演内容 タイの古典舞踊と民俗舞踊
タイの古典舞踊とタイ各地の民俗舞踊を披露します。タイ舞踊は、指先を反らせてしなやかに優雅に踊る大変美しい踊りです。タイの古典舞踊では、きらびやかな冠と金糸・銀糸を使った華やかな衣装をつけて踊ります。タイ各地の民俗舞踊は、その地方の特色が生かされた音楽とともに各地方独特の可愛らしい衣装をまとって踊ります。
北インド古典舞踊カタック(公演:みやびカタックダンスアカデミー)
●みやびカタックダンスアカデミー
国立演劇舞踊学校カタック・ケンドラ、インド人間国宝ビルジュ・マハラジ師よりカタックを学んだ佐藤雅子が主宰するカタックダンスの舞踊団です。佐藤雅子はインドの数々のフェスティバルに出演するほか、後進の育成にも努め、国内外で多数の公演をこなし、伝統あるインド古典舞踊をベースに日印文化を融合させた作品を意欲的に発表しています。
●公演内容 北インド古典舞踊力タック
インド四人古典舞踊の一つカタックは、北インドの寺院に伝承されてきたパントマイム形式の舞踊を起源とし、ムガル時代に隣国ペルシャの影響を受けて華麗な宮廷舞踊となりました。フラメンコの源流ともいわれる複雑なステップ、優美で切れのよい所作、華やかな旋回などを特徴とし、力強いヒンドゥーの踊りと優美なイスラームの踊りが融合した独特の表現が最大の魅力です。
インドの古典舞踊バラタナーティヤム(公演:コンテンポラリー・ナティヤム・カンパニー)
●コンテンポラリー・ナティヤム・カンパニー
1996年に創設された、インド古典舞踊バラタナーティヤム、インド映画ミュージカル・ディスコ・バングラのダンススクールです。本校は新宿区歌舞伎町、在校生の約半数は在日インド人で、年2回の発表会をはじめ、数々の公演、テレビ出演などをこなし、各種イベントでは日印合同で盛り上がり、双方の友好にもつとめています。代表の野火杏子は舞踊家・振付師として活躍するほか、舞踊・映画関連著書も多くあります。
●公演内容 インド古典舞踊バラタナーティヤム
南インドの古典舞踊バラタナーティヤムは、かつてヒンドゥー寺院の巫女が神々に捧げる為に踊られていました。今日では舞台芸術となり、世界中の人々に愛されています。独特の型を組み合わせて踊る「ヌリッタ」、インド古典舞踊独特のマイム表現による「ヒンドウー神話の踊り」ほかを上演いたします。また、同じインドでもスタイルの全く異なる北インド古典舞踊カタックとの競演もお楽しみいただきます。
公演第二夜 12/7(日) 16:30〜18:30
バリ島のガムラン音楽と舞踊(公演:サリ・メカール)
●サリ・メカールSari Mekar東京大田区のガムラン・スタジオ音工場Omoriを拠点に活動しているバリ・ガムランと舞踊のグループで、1997年に著名な演奏家イ・ニョマン・スダルナ氏、イ・マデ・スエ氏より「サリ・メカール(花開く)」と命名されました。ガムラン・ゴング・クビャールのみならず、ワヤン・クリッ(影絵芝居)、ガムラン・アンクルン等、バリ島の多岐に渡る芸能をレパートリーとしています。本格的な公演から公開講座まで幅広く活動しています。
●公演内容 バリ島のガムラン音楽と舞踊
神々と芸能の島として知られるバリ島では、村人が信仰や娯楽のためにこぞって音楽や舞踊に参加して、類い希な生き生きとした芸能体系を作り上げています。数あるバリ島の芸能の中でも、現在最も一般的なガムラン・ゴング・クビャール(青銅の打楽器を中心としたアンサンブル)の演奏と舞踊を、バリ・ガムランの第一人者皆川厚一の解説を加えながら、お楽しみいただきます。
アラブ舞踊ベリーダンス(公演:アルカマラー二)
●アルカマラー二
1994年、アラブ舞踊ベリーダンスの舞踊家MAHAの主宰するダンスカンパニーとして創設されました。「アルカマラー二」とは語義的には「二つの月」、すなわち、太陽と月を表します。月や夜が美しいのは砂漠の国らしいということで名づけられました。四谷大京町のスタジオを中心にNHK文化センター等にて教室活動を展開し、数多くのベリーダンサーを輩出しています。
●公演内容 Oriental Journey「東方への旅」
東方とはヨーロッパから見た方角です。アラブの女性特有の舞踊ベリーダンスは「ラクスシャルキー」または「オリエンタルダンス」とも呼ばれます。「ラクス」は「踊り」、「シャルキー」は「東方の」という意味です。ジプシーによってイスラーム圏以外の外国に伝えられました。公演は「アラディーン」というロマ風オリエンタル音楽のバンドの生演奏に乗せて、トルコの9拍子の曲や湾岸の曲、エジプトの民族的な踊りも交えて紹介いたします。