2022年6月24日、春季英米文学科講演会が、Zoomのウェビナー形式で開催されました。講師は青山大学教授の田中深雪先生で、講演のタイトルは「通訳・翻訳の世界の不思議――言葉を『訳す』ことの難しさと楽しさ」でした。
講演では、タイトルの通り、ご専門の通訳と翻訳の難しさとおもしろみについて、ご自身の経験談を交えつつ、丁寧にご教授くださいました。いかに密接に、言葉が文化と結びついているのか。だからこそ、通訳・翻訳をする際は、文化の特性を理解することが重要だということを、日本人にとって馴染み深い童話『ごんぎつね』の原文と英訳の比較課題を通して、ご説明くださいました。
当日は、コロナ禍によりZoom開催となってしまいましたが、260名を超える参加者を迎えての参加型講演会となり、講演後には多くの質問が寄せられるほど大盛況なものとなりました。『ごんぎつね』の比較課題は事前に配布されており、当日、6名の学生が顔出しで参加して、課題に対する自らの意見を述べてくれました。参加してくれた学生の方々、ありがとうございました。また、質疑応答の時間には、多数の興味深い質問が、チャット機能を用いて寄せられました。質問をしてくださったフロアーのみなさま、ありがとうございました。
このように大盛況な講演会となったのも、学生の関心を引き付け、通訳・翻訳の奥深さを実践形式でわかりやすくご紹介くださった田中深雪先生のお陰に他ありません。この場をお借りして、田中先生に心から御礼申し上げます。言葉の奥にある文化の特性、それを理解することこそが、グローバル時代の今、求められていることだと痛感させられる、とても意義深い講演会でした。