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健康科学科

学科の特徴

健康を科学する
医療・食と運動・自然科学のスペシャリストへ。

健康科学科では、1年次で基礎科目を学んだ後、2年次以降それぞれの学生さんたちが持つ興味や特性をもとに、希望する専門分野を深く学べる3コース制をとっています。

3コースの特徴

臨床検査コース
医療の一端を担う臨床検査に関する学問領域や基礎医学領域を履修し、必要単位を修得することで「臨床検査技師」の国家試験受験資格を得ることができます。医療に特化した専門的な講義の他、多くの学内実習や実際の医療現場で実施する臨地実習などがあり、日本の医療を支え現場で活躍できる実力を持った医療人を育てます。
健康マネジメントコース
スポーツ生理学や栄養学など、運動や食の健康との関わりを専門的に学ぶ授業で構成されています。また健康増進施設や食品企業、官公庁などの学外実習もあり、特定の科目を履修することで、「食品衛生監視員」、「食品衛生管理者」、「健康運動実践指導者」などの資格を取得することができ、人々の健康づくりに貢献できる専門家を育てます。
理科コース
自然科学系の指定授業と教職関連科目を履修することで、「中学校・高等学校の理科教員免許状」を取得することができます。また科学全般の専門知識を習得する授業が多数あるため、企業での開発や製造といった理系色の強い職業にも携われます。自然科学の知識が豊富で、教育現場でも一般企業でも活躍でき人材を育てます。

充実したサポート体制

健康科学科では様々な取り組みを行いながら、学生の皆さんの過ごす大学4年間が有意義で実り多いものになるよう、教職員一同できめ細かいサポート体制を整えています。

  • 1年次リメディアル授業:化学や生物などが少し苦手な学生さんをフォローアップ。
  • 国家試験対策特別講座:臨床検査技師国家試験合格に向け、他大学・病院などから実績ある講師陣を招聘して開講。
  • 公務員試験サポート:食品衛生監視員として公務員を目指す学生に向けて、キャリアセンターと協同したサポート体制。
  • 自身のキャリアに繋がるインターンシップ:食品企業やプロスポーツのフロントなど、豊富なインターン先で社会人基礎力をアップ。
  • 教育インターンシップの充実:実際の小中学校のTA、理科実験助手を2年次から体験。
    地域連携行事:スポーツイベントなどに、ボランティアとして積極的に参加し、出場者の健康診断や救護活動など医療体験を実施。
  • 学生面談・保護者会:学年ごとの担任制をとり、学生からの相談や進路などについて面談を実施。保護者会などを通じ、学生・保護者・教員が連携して学生生活をサポート。
  • 1質の高い授業と実習内容

    「健康科学」の基礎から専門性の高い授業まで充実したカリキュラムを用意しています。多くの実験・実習を通じて、体験的に高度な技術と知識を積み上げていきます。

  • 2希望進路別の履修モデル

    1年次に将来の自分をイメージしたキャリアデザインを行います。2年次から、個々の特性と希望進路を基に、専門性に特化した3つのコースのいずれかを選択します。

  • 3社会に貢献する専門資格

    医療・食と運動・教育などの現場で活躍することができる実力を養い、専門資格の取得を目指します。そして各分野のエキスパートとして社会に貢献できる人材を育てます。

資格取得に応じた履修モデル

臨床検査技師/国家試験受験資格取得モデル

臨床検査技師は、病院などの医療関連施設で生体の一部や血液・排出物を検査する「検体検査」と、心電図や超音波検査などの「生理学的検査」を担当します。必要な科目の単位を修め、卒業することが、国家試験受験資格を取得する条件です。

食品衛生管理者・食品衛生監視員/資格取得モデル

食品衛生管理者は食肉製品製造業などの工程を衛生的に管理する資格者。食品衛生監視員は、検疫所や保健所に所属し、食品製造業者や飲食店の衛生監視、指導・教育を行う技術系公務員。どちらも必要な科目の単位を修得することで、任用資格を得ることができます。

第二種作業環境測定士/資格取得モデル

作業環境測定士の主な仕事は、労働作業者の職場環境に存在する有害物質の調査です。臨床検査技師免許の取得と認定科目を修得することで試験が免除になります。卒業後、作業環境測定士講習を受講し、修了試験に合格すれば資格を取得できます。

健康運動実践指導者/資格取得モデル

健康づくりのための運動指導の知識・技能等を持ち、運動の実践指導を行う資格者。在学中に必要な科目の単位を修得することで、3~4年次に指導実技試験受を合格すると資格を取得できます。

中学校・高等学校理科教員免許/資格取得モデル

中学校や高等学校で理科教員として学校教育に携わります。自然科学関連の授業と教職関連科目を修得し、4年次に教育実習を行うことで卒業と同時に、教員免許状(理科)を取得できます。また4年次の夏、各都道府県で行われる教員採用試験を受験します。

学ぶ領域

健康科学
基礎医学、臨床医学、生命倫理、ライフサイエンス、栄養学、スポーツ生理学、生化学・有機化学、自然科学

各コース実習先

臨床検査コース(全22施設)
慶應義塾大学病院
自治医科大学附属病院
東京慈恵会医科大学附属病院
順天堂大学医学部附属順天堂医院
日本大学医学部附属板橋病院ほか
健康マネジメントコース
食品分析センター、食品関連企業、健康増進施設(スポーツクラブなど)、 地域連携協定先県庁並びに市役所などを予定。
理科コース
埼玉県、東京都、千葉県、群馬県など公立および私立中学校・高等学校などを予定。

学会活動

時代の要請に変化を遂げる臨床検査教育

2022年7月16日 第 29 回日本遺伝子診療学会大会において、本学科、藤田和博教授が、シンポジストとして登壇され、「人材育成と教育- 遺伝学的検査に求められる人材・リテラシーと課題 -」というテーマで講演をされました。その中で、「国民の医療へのニーズの増大と多様化、チーム医療の推進による業務の拡大、新たな検査項目の登場、検査機器の高度化など臨床検査技師に求められるニーズや役割・知識等も変化をしている」と示した上で、2022年度から新しい教育制度がスタートし、本学科の取組についても紹介を戴きました。

その講演の中で、平成 29 年の医療法改正では、ゲノム医療の実⽤化に向けた遺伝子関連検査の精度の確保等に取り組む必要性から、臨床検査技師の新教育カリキュラムでは、「遺伝子関連・染色体検査学」2単位の取得が体系づけられ、臨床検査教育の新しい局面がスタートをしていると力説をされました。遺伝医療の進歩が著しい中、臨床検査技師の新しいミッションが浮き彫りになったということでもありましょう。

本学科の在学生の中には既に、その担い手として今後益々活躍が期待される「遺伝子分析科学認定士(初級)」の資格を得ている者もおります。更には、「胚培養士」として先端医療で活躍をしている卒業生も散見されるようになりました。以上のように、本学科の「臨床検査コース」では、誰もが臨床検査技師の最先端教育を受けることができるのです。

臨地実習

臨地実習を終えて~学会認定資格取得に至るまで~

本学科の臨地実習は3年次の1~3月にかけて行います。それまでに学内実習で基礎をしっかりと学びそれがどのように臨床現場で応用されているかを体験し学ぶこととなります。
臨地実習では、患者さんに対してミスのできない緊迫感と責任感を持ち、高い技術と知識を生かして現場に向き合っている臨床検査技師の方々が丁寧に指導してくださいます。また、他のメディカルスタッフの仕事を見ることでチーム医療というものがどのように行われているのかを学ぶ機会となります。
臨地実習で得られた知識と経験を活かし、1年後の臨床検査技師国家試験へと挑みます。

またほかのメディカルスタッフの仕事を見ることで、医療職への理想と期待が高まりました。実習先の東京大学医学部附属病院は特に白血病の遺伝子検査に長けており、シークエンサーによる遺伝子解析やPCRによる疾患遺伝子の同定に強く興味をひかれました。実習を終えた4年次には認定資格の「遺伝子分析科学認定士」という資格に挑戦して、知識を深めていきました。試験にも合格し、4月からは私立大学病院に勤めています。